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クリニック経営に
役立つ節税知識

医院の収入計上時期 減額通知が来たときは?

医療法人にとって、収益の多くを占めるのが社会保険診療収入。保険請求をしてから、約2か月後に診療報酬の入金がなされるなどの特徴があります。

社会保険診療による収益の計上を適切に行っていないことで、余計に税金を支払っていることがあるので注意が必要です。

特に問題が多く発生する減額通知にスポットを当てながら、収益計上のポイントを解説します。

医療法人の収益はいつ計上するのか

医療法人の診療による収益はいつ発生するかというと、原則的には患者さんを実際に診療した日です。

これは、窓口でいくら受け取るか、診療報酬による収入がいつ入金されるかということに関わりません。

ただし、実務上は診療するたびに収益を計上するのは煩雑なため、レセプトを計算し、送信した日に収益をまとめて計上する場合がほとんどです。

このような経理の仕方も税務上は認められます。

レセプト送信時に計上した収益は、社保基金や国保連から、2か月後に入金されるまでは未収金、つまり見込みの金額ということになります。医療法人が3月決算の場合、2月分・3月分の収益は見込みのまま決算日を迎えることになります。

減額通知の計上を忘れるケースが多発

しかし、見込みの収益が常にその通り入金されるわけではありません。レセプト請求が認められず、減額通知を受けることもあります。

その場合、見込んでいた収益は発生しなかったことになります。

ここで問題があります。減額通知を受けると、見込みの収益を減額すべきなのですが、年度をまたいだ減額の処理を忘れてしまうケースが多いのです。

実際の収益よりも税務申告での所得が多くなり、払わなくてもよい税金を払うことになってしまうことになります。

見込みで計上し、決算を迎えた診療報酬について減額通知がなされた場合、収入を減額する処理をする必要があります。

具体的には、保険等査定減といった形で費用として計上します。

また、減額通知を受けた診療について再審査請求を行い、診療報酬が認められる場合もあります。この場合は、再び収益として計上する必要があります。

適正な税務処理を心がけましょう。

税理士とのコミュニケーションを密に

今回申し上げたことは、当たり前のことのように思われるかもしれません。

しかし、この処理を忘れてしまっている医療法人、また忘れやすい経理体制になっている法人が非常に多いのが現実です。

大切なことは、顧問税理士とのコミュニケーションです。減額通知を受けた、あるいは再審査請求が認められた場合で税務処理に迷いがあるのであれば、必ず税理士に伝えて、アドバイスをもらってください。

税理士は、もちろん税務についてはプロですが、中には医療機関の収益構造に詳しくなく、保険請求などのしくみがあまりわかっていないこともあります。

医療経営に詳しい税理士に依頼することも大切です。

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