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クリニック経営に
役立つ節税知識

税務署も徹底チェック 修繕費を一括で経費にするには?

医院・クリニックを運営していると、建物や設備・機器を修繕したり、改良したりする必要が生じます。この修繕費は多額になるため、財務的な影響を考慮しながら計画する必要があります。

修繕等の費用は税額にも大きく影響します。額が大きいため、一括して経費にすることができれば大きな節税になります。

今回は、修繕や改良等を行った場合の経費計上のポイントについて解説します。

修繕のための支出は一括経費にできるのか?

修繕費は、支出した年度に一括して税務上の経費にできます。
しかし、修繕費と区別がつきにくいものとして資本的支出があり、こちらは経費に落とせる額が制限されます。

資本的支出とは、支出することで資産が増えるもののこと。その場合、資産計上し、耐用年数に合わせ、数年にわたって償却しなければなりません。

では、一括経費にできる修繕費とされるためにはどのような要件があるのでしょうか。
簡単に説明しましょう。

まず、20万円未満の費用である場合や、おおむね3年周期で必要となる費用である場合は、修繕費として一括経費にできます。

また、通常の維持管理のためのもの、また壊れたものを現状回復し、通常の使用ができるようにするための費用は修繕費となります。

資産計上しなければならない支出としては、用途変更のための改装、高性能・高品質にするための修繕、価値が増加する修繕等があります。

修繕費の経費計上はいつ行うのか?

修繕費を計上する際に、もう一つ注意しておきたいことに、経費の計上時期があります。

修繕費として計上できるのは、修理を発注した時点や、料金を支払った時点ではなく、工事が終了した時点となります。

時間を要する改修工事を行う場合、決算直前に所得を圧縮しようと発注しても、その年の決算日に間に合わなくなる可能性が大です。

大規模改修を行う場合は、数か月余裕をもって計画的に行いましょう。

また、修繕を行う場合は、実際に工事を担当する業者が発行した請求書、領収証のほか、契約書や計画書、完了報告書といった、修繕費の計上時期を裏付ける資料を用意しておくとよいでしょう。

修繕費には税務署の厳しいチェックが

さて、上記で説明した修繕費と資本的支出の違いを読み、お気づきかもしれませんが、実際に行った修繕が上の要件に合うか否かは、はっきりと判断が付きかねることが多いもの。

単純な修繕と、価値を高める資本的支出の線引きは、実際には難しいものです。

税務当局は、多額の修繕費がある場合、資産計上すべきものではないか、ということを必ずといってよいほどチェックします。

修繕費の計上時期が期末に近い場合も、翌年度に計上すべきものでないか、ということを注視しています。

大規模修繕は節税効果は高いものですが、実施する際、計画段階から必ず税理士と打ち合わせを行うことが税務否認を防ぐためのカギとなります。

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