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クリニック経営に
役立つ節税知識

自宅を医療法人の「社宅」として節税する方法

医療法人の代表が、自宅を購入したり賃貸したりする場合に、ぜひ検討してほしい節税策があります。自宅を医療法人で所有あるいは借り上げて、「社宅」にするという方法です。

この方法が、法人代表者の間で広く行われている理由は高い節税効果にあります。その仕組みを簡単に解説していきます。

相場よりも安い賃料で節税効果発揮

社宅として役員に貸し付けると、なぜ節税になるのでしょうか。

医療法人が社宅の敷地や建物を購入したり、あるいは借り上げた場合、購入費や賃料は経費にできます。そして、法人が役員から受け取る社宅の家賃は収入となります。

社宅の賃料は相場よりもかなり低く設定できます。たとえば、法人が家賃20万円で家を借り、役員に家賃10万円で貸す場合を考えてみましょう。

この場合、法人が支払う20万円と役員から受け取る10万円、差し引き10万円は経費となり、年間では120万円。

税率を30%とすると、年36万円もの法人税額を節税できます。

賃料設定のための計算方法とは?

不動産を法人契約し、社宅として役員に貸し付けるだけで、特別な出費をしなくても効果の高い節税ができることがお分かりいただけたと思います。

しかし、ここで問題となるのは賃料設定。相場より家賃を低く設定できれば、節税効果は高くなりますが、低すぎれば当局から否認を受け、役員への利益、つまり給与を支払ったものと扱われてしまいます。

社宅家賃の限度については、当局から通達が出ています。限度額の計算式を以下に示します。

計算式中の「固定資産税課税標準額」は、土地や建物を所有すると課税される固定資産税の計算に使われる価額。所有者に毎年通知され、自治体で証明書をもらうこともできます。

(家屋の固定資産税課税標準額×12%)+(土地の固定資産税課税標準額×6%)×1/12=月額家賃
※建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。

なお、132㎡以下(耐用年数30年超は99㎡以下)の小規模な社宅は更に低い算式で計算可能です。

ただし、240㎡以上の家屋や、プール等の役員個人の嗜好が反映された設備が付いているような豪華社宅は、通常の不動産業者が設定する相場の賃料とされ、節税効果がなくなってしまうので注意しましょう。

法人が借り上げた社宅を役員に貸しつける場合の賃料は、上記の所有の際の算式か、法人が支払う家賃の50%のうち、高い方となります。

社宅家賃の設定等、相談は税理士まで

現在、自宅の購入や賃貸を予定している法人代表者の方は、まず法人での契約を検討してみてください。それだけで、かなりの節税となる可能性が高いでしょう。

また、賃料設定もなるべく有利に設定できるよう検討しましょう。

通達に基づく賃料の計算方法の基本は上に示しましたが、複雑な計算になりますので、必ず税理士に相談してください。

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