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クリニック経営に
役立つ節税知識

医療機器の特別償却 有利に使うには?

高額になることの多い医療機器の購入費は、もちろん経費として落とせますが、減価償却を行うため、一度に全額を費用とすることはできません。

ただし、医療機器の購入に関しては、新規導入や買い替えなどをしやすくするため、初年度に大きく償却をすることができる特例があります。
特例の制度概要と使い方について解説します。

高額機器の初年度償却費がアップ

医療機器の特別償却は、一定の医療用機器の購入費の減価償却を行う際、初年度の償却費を上乗せできる制度です。
これにより、大きな出費を行った初年度の税負担が抑えられることになるため、設備投資がしやすくなります。

初年度の特別償却費は、取得価額の12%です。

たとえば、1000万円の機器を購入、耐用年数が5年とします。
償却費が毎年度一定となる「定額法」では、初年度の償却費は200万円。
一方、特別償却を適用すると、取得価額1000万×12%=120万円を上乗せし、320万円を償却費とすることができます。

要件と対象機器 間違いやすいポイントは?

特別償却の要件としては、青色申告を行う医療機関であること、新品の購入であること、1台の取得価額が500万円以上であることなどがあります。

中古品の購入、またファイナンシャル・リースでは特例を受けることができません。
医療法人ではなくMS法人が購入した機器を、自院に貸し付けるといった場合も適用できないことに注意してください。

また、対象となる機器は、厚生労働大臣が指定するものです。
具体的には、CT診断装置、超音波画像診断装置、手術室用機器、集中監視装置、リハビリテーション機器、そのほか、各科目特有の機器が細かく指定されています。

特別控除の対象とならないもので間違いやすいものとしては、レントゲン車、患者運搬車などの車両、自動カルテ抽出機、食器減菌装置やクリーニング設備などがあります。

詳細は、下記国税庁ホームページでご確認ください。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/800324/02.htm

利益を考慮して適用の是非を考える

特別償却は、初年度に大きな償却ができるという制度であり、将来的に償却できる金額を、前倒しできる制度といえます。

適用により有利になるか否かは、初年度および、向こう数年間の損益の状況により異なってきます。

初年度に大きく利益が出ている場合は有効ですが、将来的に利益が伸びていくことが予測できるときは、適用しないほうが良い場合も考えられます。

施設の運営上必要な機器があり、設備投資を予定している場合は、利益への影響、キャッシュフローへの影響を考慮することが必須となります。

その際は、税理士と相談し、税金の面からもどのような影響があるかを考えながら、税負担を最小にする方法を検討してみてください。

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