役立つ節税知識
ホームページを戦略的に使って節税と集患を実現
あらゆる業種で、集客のために必要不可欠のツールとなったホームページ。医療機関においても、自院のページを持っている所が多くなりました。
医療機関では広告に関する厳格な規制がありますが、ホームページが集患につながり、業績をアップさせる力をもっていることは間違いありません。
そこで今回は、ホームページ制作の税務上の経費処理についても触れながら、ITメディアをクリニック経営に戦略的に使う方法を考えてみます。
法令上、広告ではないホームページ
医療機関のホームページは医療法で規制される「広告」ではありません。医院や診療に関する情報公開といった位置づけとなります。
本稿では法令上広告に当たる表現等について詳しくは触れませんが、日本医師会によるホームページに関するガイドラインなどを参考にしながら、法令に抵触しない内容にすべきであることはいうまでもありません。
最近ではホームページはもちろん、院長やスタッフのブログ、メルマガを多用し、リンクしたり、様々な疾病ごとに特別サイトを作って専門知識を提供するなど、メディア戦略を巧みに行うクリニックも多くなりました。
治療方法や病気に関する知識を、電子書籍などの媒体を使って配信するドクターもいらっしゃいます。電子書籍は、従来の自費出版とは異なり、低価格で自院の専門分野に関する書籍を発行できるメディアとして注目されています。
WEBサイト制作の税務とは?
これらのメディアは、専門業者に頼んで作ってもらう場合も多いですが、制作費用は広告宣伝費等となり、全額経費に計上できます。
ただし、経費の計上時期には注意したいところです。WEBサイトは、コンテンツを作成するのに時間がかかることがありますが、経費になるのは実際にWEB上にアップしたとき。発注時や料金支払い時ではありません。
決算が近づいてきたとき、今期の利益を勘案しながらサイト制作を検討する場合は特にご注意ください。
もう一つ、プログラム機能がホームページ上に組み込まれている場合は、制作費用を一括で経費にできないことがあります。
たとえば予約状況が自動的に更新されるシステムなどは、ソフトウェアの開発費となり、20万円以上の場合は5年で償却することになります。判断は難しいところですが、税理士に相談しながら正しく処理しましょう。
新しいメディアが医療機関を変える
医療機関は広告が制限されているだけに、質の高い情報を提供することにより他院との差別化につながりやすい業種でもあります。特にデジタルメディアの利用は、今後ますます必須になっていくのではないでしょうか。
新しいツールの出現にもアンテナを張りながら、増患・増収へとつなげる可能性を秘めたメディアを戦略的に利用していきましょう。
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