• メールで相談する
  • 電話で相談
開業を成功させる
事業計画

事業計画書の作成ポイント④ 資金繰り・キャッシュフロー

資金繰り・キャッシュフローを評価する

事業計画の大きな目的は、毎年の損益の予測だけではなく、資金繰りの予測を行うことにあります。

事業計画策定方法の解説の最後は、キャッシュフローの観点から、手元にお金がいくら残るのか、キャッシュ不足のリスクはないのかといったことを分析する方法について解説します。

損益では見えない資金繰り状況

まず、これまで予測した年次の予測をもとに、収入と費用を月ごとに割り振ってみましょう。

月の収入は患者数の増加、季節変動などを考慮しながら決めていきます。

次に費用。固定費は毎月ほぼ同額、変動費は収入と変動費率をもとに計算していきます。



この計算により、月ごとの損益が割り出され、いつから、どのくらいの黒字を出すことができるのか、予測することができます。

しかし、事業計画はこれだけでは不十分です。
会計上の利益だけではなく、手元の現預金の増減を示す、キャッシュフロー計画を作成する必要があります。

キャッシュに着目して計画書を作る

キャッシュフロー表では、キャッシュイン、キャッシュアウトに着目し、その月の推移を見ていきます。

損益計算と、キャッシュフローの計算は異なります。
たとえば、窓口で受け取った医療費は手元のキャッシュになりますが、のちに振り込まれる金額は、売り上げの時点では計上できません。

支出についても、現金や振り込みを行った場合はマイナスですが、買掛ならキャッシュアウトはありません。

金融機関から借り入れを行った場合、利益には直接影響はありませんが、キャッシュフローはプラスということになります。

減価償却費のように、会計上では計上されていても、実際にはお金が出ていかず、キャッシュフローに影響しない費用もあります。

表では、事業によるキャッシュインとキャッシュフローの差である、返済前資金繰り、そして、金融機関への返済や納税などによるキャッシュアウトの差引金額を計算しています。

また、実質的に生活費によってもお金が出ていくことも事業資金に影響しますので、その金額も考慮して差し引き資金繰りを計算します。

そして、先月から繰り越した手元現金にその金額をプラスします。

実際に、どのような取引によりキャッシュイン、キャッシュアウトが起こるのかは、感覚的にわかりにくいと思います。
病医院の取引について詳しく、かつ会計の知識のある専門家の意見を取り入れながら策定してみてください。

リスクをしっかり計算して開業に臨む

経営で絶対に避けるべきことは、破たんにつながる資金ショート。
手元資金が少ない状態で開業すれば、用意した現預金がなくなってしまう危険があります。

場合によっては、運転資金の融資を受ける必要があるとの結論に達する場合もあるでしょう。

運転資金は、下ブレを予測して準備する必要があります。

事業計画に基づき融資した金融機関にとって、運転資金の追加融資は、見通しが甘かった、あるいは業績が想定外に悪かった結果とみなされるため、融資を受けることができたとしても、条件が悪くなってしまうので注意したいところです。

お問い合わせ・ご相談はこちら 事業計画書テンプレートダウンロード

関連記事合わせてお読みください

  • クリニック開業をお考えのドクターのためのプライベートセミナー第11回

    新時代のクリニック開業へ~必ずチェックすべきポイント「3」~ ✔参加費無料  ✔参加特典として『クリニック開業を思い立ったら最初に読む本』(日本法令)をプレゼント! ※お申し込みは下記の……

    続きを読む
  • 開業スタッフの募集と人選 

    注意すべきポイントとは? 勤務医であった方がクリニックを開業した時、最も大きな変化の一つは「雇われる側」から「雇う側」になるということです。 スタッフを雇うことは、金銭的なインパクトも大き……

    続きを読む
  • クリニックの内装はなぜ重要なのか

    クリニックを開業する際、院のコンセプトを表現する「内装」は極めて重要です。 内装の良し悪しは、クリニックで働く人、そして患者さんにとっての快適性、利便性に深く関わるため、こだわりを持ちたいもので……

    続きを読む

新着記事開業ドクターのための最新情報をご紹介いたします