事業計画
事業計画はなぜ必要か

クリニック開業に、事業計画はなぜ必要なのか?
クリニック開業を目指す医師の方々にとって、最も頭の痛い問題の一つが「資金」です。
開業後に経営を順調に行なうためには、自院の理念やコンセプトに加え、財務面で適切な計画を立てることがきわめて重要です。
ここでは、開業時の事業計画の概要、また策定のメリットなどについてお話しします。
事業計画とは?
まず、事業計画とはどのようなもので、なぜ必要なのでしょうか。
事業計画は、クリニック開業後の数年間の運営を「資金繰り」の面から見通すもの。
様々な条件のもとで、開業後のキャッシュフローを予測、資金繰りが苦しい状態にならないかシミュレートします。
事業計画策定の際に考慮すべき条件として、以下のようなものがあります。
・不動産や医療機器など開業時の初期投資
・出資や融資など、資金的な手当
・患者数や診療対価に基づく収益額
・材料費や人件費などのコスト
・院長個人の生活費や税金
策定メリット① 開業後のリスクを管理する
クリニックの開業において、最も厳しい状況となりうるのが開業から1~2年の立ち上がりの時期です。
そして時に、開業から半年程度で資金不足に陥るケースもありますが、これは全く想定できないアクシデントによるものよりも、事業計画をしっかりと検討することなく、甘い見通しで「見切り発車」してしまうことが原因であることがほとんどです。
そのような場合、すぐに破たんという事態は考えづらいにしても、無理な金策に走らざるを得なくなり、以後の経営に暗い影を落とすことも考えられます。
事業計画では、初期の設備投資はどのぐらい必要でそれをどのように調達するのか、開業後どのような患者さんがどのようなペースで来院するのか、費用・支出はどの程度見込まれるのか、収支や資金繰りはどのように推移し、運転費用はどの程度の額であれば回るのか、等について具体的に数字を置いて検証していきます。
もちろん、将来の患者数などを正確に予測することはできませんが、様々なパターンを想定し、かなり厳しいケースも想定して資金手当までしておくことで、開業直後の資金ショートのリスクを最低限に抑えることができます。
開業前のシミュレーションは、実績のないところから組み上げるため、どうしても現実とのブレ幅が大きくなることがあります。ですから、一つだけの模範解答にこだわることなく柔軟に対応することも大切です。
策定メリット② 融資審査が通りやすくなる
事業計画は、銀行や公的機関等から融資を受ける際の審査において非常に重要な判断材料となります。収入構造や支出の想定に無理がなく、また未来の成長性もポジティブに見通せる事業計画を提示することで、有利な条件での融資が望めます。
金融機関の融資担当者は、優良な借り手を探し融資するのが仕事ですが、実績のない事業にお金を貸すことは、やはり基本的にハードルが高くなります。
したがって、その融資がリスクコントロールされ危険の少ないものであることを裏付ける資料は必須で、またその資料が専門家の作成したクオリティの高いものであるほど審査が効率的に行なえ、行内稟議が通りやすくなります。
つまり、適切な事業計画は融資する側、される側双方にメリットをもたらしてくれるものともいえるでしょう。
策定メリット③ 開業後の経営の検証に活用できる
事業計画で示した数字は、あくまで試算です。
どんなに詳細に計画しても、実際の経営をスタートしてみると、すべてが想定通りに進むことはまずありません。
しかし、計画からの「ずれ」が生じたときこそ、事業計画の本領が発揮されます。
経営上の危機は、早く気づくことで対策の選択肢が広がります。事業計画があれば、収入、費用等、どこに想定外の事態が起こっているのかがわかり、早めに改善策を練ることができます。
また、事業計画を毎年の予算書として利用し、実績と対比して分析する「予実管理」を行なうこともできます。適切に作成された事業計画は、クリニック開業前と開業後、長きにわたりメリットをもたらすのです。
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