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クリニック経営に
役立つ節税知識

医療機関の消費税は「損税」!?消費税の基本と仕組み

毎日の生活で支払っている消費税は、もっとも身近な税金の一つ。
増税の話題など、関心の高い税金でもあります。消費税を負担するのは消費者ですが、経営を行う場合、消費税は「納める」税金となります。

今回は、事業を行う上で必要となる消費税の基本について、医療機関における特殊性を含めて解説していきます。

消費税の納税義務を負うのは「事業者」

皆様が毎日のように支払っている消費税を、実際に税務署に納めているのは店舗や会社などの事業者。

基準期間(原則的に2期前)の課税売上(消費税が課税された売上)が1000千万円以上ある事業者には、消費税の納税義務があります。

消費税は、負担する人と納税する人が異なっており、事業者にとって「預り金」的性格を持っているといわれます。

しかし、事業者は受け取った消費税をそのまま納税しているわけではありません。
原則として、事業者は受け取った消費税から、仕入等で支払った消費税を控除し、その差額を納税します。

受け取った消費税より、支払った消費税のほうが多い場合は差額が還付されます。

「課税売上」という言葉からもうかがえるように、消費税はすべての商品に課税されるわけではなく、非課税のものがあります。

課税売上の割合が95%以上である場合は、仕入税額を全額控除できますが、95%未満の場合、仕入税額の全額を控除するのではなく、課税売上げに対応する部分のみを控除できます。

保険診療は非課税 仕入税額はどうなる?

ここで、医療法人や個人クリニックは特別な事情があります。多くの医療機関で収入の大半を占める保険診療の医療費は、「消費の概念になじまない」とされ、非課税となっているということです(ただし、自由診療の医療費には消費税が課税されます)。

複雑な税制や細かい計算の説明は省き、単純な例を挙げて説明します。

収入のうち保険診療によるものが90%で、自由診療や物品販売などの課税売上が10%のクリニックがあるとします。

その場合、医薬品や備品など仕入で支払った消費税額は全額控除することはできず、課税売上に対応する10%のみしか控除できないことになります。

クリニックの多くは、保険診療収入が収入の大半を占めますので、支払った消費税のほとんどは控除できず、自身で負担することになっています。

事業者は消費税の負担者ではないはずなのですが、医療機関の多くは消費税を負担している状態なのです。

この問題は「損税」という言葉で、医療関係者から批判されています。

医院経営では消費税の基礎知識を

医院経営を行う上で、経営者である院長先生が、消費税の複雑な制度をすべて理解する必要はありません。

しかし、病医院の経営において消費税は上記の理由などから負担感の大きい税金になりがちであり、納税によりキャッシュフローに大きく影響する危険があることを知っておきたいところです。

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